Googleスプレッドシートを利用して作成した仕訳帳から、総勘定元帳を作成する詳細な手順を解説します。
ハンドメイド作家等の個人事業主が、青色申告をする場合を想定しています。
以下の手順を自動化したGoogleスプレッドシートで動くコードもnoteで販売しております。プログラミングの知識がなくても大丈夫です。仕訳帳を変更した際にも、簡単に何度でも総勘定元帳が更新できます。
完成図
仕訳帳の例。
単一仕訳方式、つまり「諸口」の無い仕訳方法が前提となります。複合仕訳で処理したい場合は、相手科目に諸口と記述してしまう方法もあるかと思いますが、仕訳帳の書き方となるためここでは解説しません。
この仕訳帳を元に、総勘定元帳を作成します。実務で使用されることの多い残高式を採用します。
手順
勘定科目の抽出
仕訳帳のデータから勘定科目を抽出します。
借方勘定科目と貸方勘定科目をすべて選択してコピーし、一列に貼り付けます。
貼り付けた列を選択して、メニューから、データ→データのクリーンアップ→重複の削除をします。
「借方勘定科目」「貸方勘定科目」という表の項目名も混ざっているので消します。
これで作成すべき勘定元帳の一覧ができました。
総勘定元帳の構造
上記で作成した一覧から、まずは「現金」の総勘定元帳を作成します。新しいシートに以下のように作成します。
項目は日付、摘要、借方金額、貸方金額、借貸、残高です。
総勘定元帳の内容
仕訳帳に戻ります。
すべての列を選択し、フィルタ作成を押します。
借方勘定科目の列のフィルタマークをクリックし、「値でフィルタ」の中から「現金」にのみにチェックを入れます。
総勘定元帳に日付、摘要(貸方勘定科目)、借方金額をコピー&ペーストします。
一旦フィルタを解除し、同様に貸方についても日付、摘要(借方勘定科目)、貸方金額をコピー&ペーストします。
借貸の欄は残高が(勘定科目が)資産や費用なら借、負債や収益なら貸とします。今回は現金なので借です。
勘定元帳の残高計算とソート
日付でソートし、残高欄を埋めます。
一番上のセルに以下の関数を貼り付けて、ドラッグします。
借方の残高の場合は以下(現金の総勘定元帳はこちら)
=IF(ISNUMBER(INDIRECT(ADDRESS(ROW()-1, COLUMN()))), INDIRECT(ADDRESS(ROW()-1, COLUMN())), 0) + INDIRECT(ADDRESS(ROW(), COLUMN()-3)) - INDIRECT(ADDRESS(ROW(), COLUMN()-2))
貸方の残高の場合は以下(未払金や売上高等)
=IF(ISNUMBER(INDIRECT(ADDRESS(ROW()-1, COLUMN()))), INDIRECT(ADDRESS(ROW()-1, COLUMN())), 0) - INDIRECT(ADDRESS(ROW(), COLUMN()-3)) + INDIRECT(ADDRESS(ROW(), COLUMN()-2))
完成です。
他の総勘定元帳も同じように作成します。
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